かつて茨城県や沖縄県などで展開されていたコンビニエンスストア「ホットスパー(HOT SPAR)」。
この名前が街から姿を消した主な理由は、2008年に行われた「ココストア」へのブランド変更です。
当時の運営会社は、ココストアとの連携を深め、
グループの強みを活かすために店名や看板を一新すると説明していました。
なお、地域によって運営会社や事業の引き継ぎ先が異なったため、
ココストアに変わった店舗も、その後さらに別の変遷をたどることになります。
【結論】
- 終了時期:主要運営会社は、2008年3月末までに既存店舗の看板をココストアへ変更する計画を発表。
- 終了形態:主に店舗ブランドの変更であり、全店舗が一斉に閉店したわけではない。
- 消えた理由:公式には、ココストアとの連携とグループメリットの追求を目的として説明。
- 背景:当時の報道によると、国際SPARとのライセンス契約が2008年11月に満了することも理由のひとつ。
- その後:2015年にファミリーマートへ統合され、2016年にはココストアブランドでの営業が終了。
- その他:全国のホットスパーの最終営業日や、すべての店舗が実際にいつ転換を終えたかは確認できない。
年表で見るホットスパーの主な歴史
| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 1977年12月 | 茨城県地区スパー本部が設立される |
| 1985年3月 | 「HOT SPAR」の第1号店が開店 |
| 2001年4月 | ココストアと資本業務提携 |
| 2003〜2004年 | 沖縄・関東でホットスパーキッチンの展開が始まる |
| 2004年11月 | 北陸ホットスパーの株式をポプラが譲り受ける契約を締結 |
| 2007年11月 | 主要運営会社がココストアブランドで新規出店を開始 |
| 2008年2〜3月 | 既存店の看板を順次ココストアへ変更する計画 |
| 2015年10〜12月 | ココストアがファミリーマートの完全子会社となり、吸収合併される |
| 2016年10月 | ココストア・エブリワンブランドの店舗営業が終了 |
図解で見る流れ
このホットスパーの詳細な流れは、文字で読むと追いにくいので、先に図解化しました。
詳細な説明は次の見出し以降にあります。




ホットスパーはどんなコンビニだった?
日本で生まれた「HOT SPAR」というブランド
ホットスパーの歴史を見ていくと、
1977年12月に設立された茨城県地区スパー本部株式会社にさかのぼります。
同社は茨城県土浦市に実験店を開設し、コンビニエンスストア事業を展開していきました。
1985年3月に「HOT SPAR」の第1号店が開店。
ちなみに、「SPAR」は海外に起源を持つ国際的な食品小売チェーンですが、
「HOT SPAR」というブランド名は日本側の運営会社が独自に考案したものでした。
当時の公式サイトでも、その成り立ちが紹介されています。
その後、ホットスパーは茨城県や沖縄県などに展開。
運営会社は1991年にカスミコンビニエンスネットワークス、
2001年にはホットスパーコンビニエンスネットワークスへと商号を変更しています。
店舗数ですが、確認できた公表数によると、2006年5月末時点で、同社の店舗数は424店舗でした。
ですが、これは別会社が運営する全国のホットスパーをすべて合算した数字ではないようです。
店内で調理する「ホットスパーキッチン」も展開
ホットスパーでは、店内調理を取り入れた「ホットスパーキッチン」という店舗形態も展開していました。
2003年12月に沖縄県で第1号店、3ヶ月後の2004年2月に茨城県で関東第1号店を開店。
店内で調理する弁当や手むすびなどを扱う仕組みでした。
2007年5月の日本食糧新聞によると、当時のホットスパーキッチン導入店は31店舗、
別の店内調理形態であるサテライト導入店は37店舗ありました。
この店内調理事業には、後にホットスパーの看板を引き継ぐココストアも関わっていました。
同紙は、商品や食材の開発をココストア本部が担当し、グループ統一商品が約9割を占めていたと報じています。
ホットスパーとココストアには、看板が変更される前から商品開発などを通じた接点があったんだね。
ホットスパーが消えるまで|ココストアとの提携とブランド変更
2001年から始まったココストアとの提携
ホットスパーとココストアの関係は、2008年のブランド変更よりも前から続いていました。
ホットスパーコンビニエンスネットワークスの公式沿革にて、
前身のカスミコンビニエンスネットワークスは、
2001年4月に株式会社ココストアと資本業務提携を結んでいたことがわかります。
その後、両社は店内調理の商品開発などでも連携を進めていきます。
なぜココストアに変わったのか? 公式の説明は?
ホットスパーがココストアへ変わった理由は、当時の運営会社が公式サイトで説明しています。
2008年1月1日付で掲載された「店舗ブランド変更についてのお知らせ」によると、
コンビニ業界内外の競争激化など、事業環境の変化に触れたうえで、
名古屋に本社を置くココストアと連携し、
グループメリットを追求するために店名と看板を変更したとのことです。
ようするに、ココストアとの連携を通じたグループとのメリットを追求した結果、ブランドを変更することにしたってことだね。
これとは別に、国際SPARとの契約に関する動きもありました。
琉球朝日放送は2007年12月13日、
国際SPARとのライセンス契約が2008年11月に満了すると報じています。
また、同月の石垣経済新聞も、ライセンス契約を更新せず、ココストアへブランドを変更すると伝えました。
なお、ライセンス契約を更新しなかった詳しい理由を確認できる公式資料は見当たりませんでした。
2007年から新店がココストアに、翌年には既存店も転換へ
ブランド変更は、既存店舗ではなく、2007年11月に新しく開店する店舗から始まりました。
この新規店舗から、「COCO!」の看板を掲げ始めたのです。
具体的な例が、2007年12月19日に沖縄県石垣市で開店した「ココストア石垣平得店」です。
石垣経済新聞は翌20日、石垣島のココストア1号店として紹介し、
店内にキッチンを設けて総菜なども扱う店舗だったと報じています。
既存のホットスパーについては、2008年2月から順次看板を変更し、
同年3月末までに切り替える計画が示されました。
※すべての店舗が予定どおり切り替わったかどうかは、今回の調査では確認できていません。
全国のホットスパーが同じ道をたどったわけではない
ここまで紹介したココストアへの転換は、
主にホットスパーコンビニエンスネットワークスの経緯です。
実は、ホットスパーは地域によって運営主体が異なっていました。
よって、すべての店舗が同じ会社のもとで転換されたわけではないんですよね。
その一例が、北陸地方のホットスパーです。
北陸ホットスパー株式会社などの株式を譲り受ける契約を締結したのは、コンビニチェーンのポプラです。
この発表は2004年11月12日にされました。
ポプラは北陸地区への進出や、買収対象企業の経営資源を活用することなどを目的に挙げています。
なお、北陸ホットスパーは2004年9月時点で29店舗を運営していまし。
※主要運営会社がココストアへのブランド変更を進めた2008年よりも前の出来事でした。
このように、全国で同じホットスパーの看板を掲げていても、
地域によって運営会社や経営再編の経緯には違いがありました。
ホットスパーが消えた後はどうなった?
運営会社はココストアイーストへ
ホットスパーの主要運営会社については、店舗の看板だけでなく、会社名もその後変わっています。
コンビニ関連の沿革資料によると、
ホットスパーコンビニエンスネットワークスが2008年に「ココストアイースト」へ商号を変更したとされています。
また、2015年3月にミニストップが公表した業務提携解消に関する資料には、
ココストアイーストの法人名が登場します。
この時点で、ココストアイーストという会社が存在していたことは公式資料でも確認できます。
さらに、二次資料まで掘り下げていくと、
2015年9月にココストアイーストがココストア本体へ吸収合併されたことが確認できました。
※2008年の商号変更や2015年の吸収合併について、登記記録などで正確な効力発生日までは確認できず。
ココストアもファミリーマートへ統合された
ホットスパーの主な転換先となったココストアも、その後、別のコンビニチェーンへ統合されました。
2015年10月1日、ファミリーマートは株式会社ココストアの完全子会社化を完了したと発表。
同年12月1日には、ココストアを吸収合併しました。
ファミリーマートはこの統合について、
北関東・中部・九州などでの店舗基盤の強化や、
仕入れ・物流・システムの統合による経営効率の向上などが目的だと発表しています。
その後、ココストアの店舗ではファミリーマートへのブランド転換が進み、
2016年10月31日、とうとうココストア・エブリワンブランドでの店舗営業が終了しました。
2018年のファミリーマート資料によると、
ココストア・エブリワンの約650店舗のうち、
約370店舗がファミリーマートへブランド転換しています。
※この数字はココストア・エブリワン全体の実績であり、元ホットスパーの店舗だけを集計したものではないことに注意。
また、すべての店舗がファミリーマートへ変わったわけでもありません。
2016年には一部店舗などを別会社のココストアリテールへ承継する契約も発表されています。
このようにホットスパーからココストアへ、
そしてココストアからファミリーマートなどへと、
ブランドや事業の形は変わっていきました。
現在、元ホットスパーの個別店舗がどこで営業を続けているのか、
あるいは閉店したのかについては、今回の資料だけでは特定できません。
ココストアからファミリーマートへの転換については、別記事にて解説しています。


FAQで要点整理
ここまでの内容をFAQ形式でまとめていきます。
- ホットスパーはどんなコンビニだった?
-
1985年に「HOT SPAR」の第1号店が開店した、日本独自のコンビニブランドです。
茨城県や沖縄県などで展開され、
店内調理を取り入れた「ホットスパーキッチン」などの店舗もありました。 - ホットスパーはなぜ消えたの?
-
ココストアとの連携とグループメリットの追求を目的に、店舗ブランドを変更したためです。
国際SPARとのライセンス契約が2008年11月に満了することも当時報じられていますが、
契約を更新しなかった詳しい事情までは確認できていません。 - ホットスパーはいつ消えた?倒産したの?
-
主要運営会社は2008年3月末までに既存店の看板をココストアへ変更する計画でした。
確認できたのはブランド転換の方針であり、
倒産による一斉閉店を示す資料は確認されていません。
全国共通の最終営業日も不明です。 - 全国のホットスパーはすべてココストアになった?
-
地域によって運営会社が異なっていたこともあり、
すべてがココストアになったとは確認できません。北陸では2004年にポプラが北陸ホットスパーの株式を譲り受ける契約を結ぶなど、
別の経路で企業再編が進んでいました。 - ホットスパーはその後どうなった?現在もある?
-
主な転換先だったココストアは2015年にファミリーマートへ統合され、
2016年10月にはココストアブランドでの店舗営業も終了しました。ただし、元ホットスパーの個別店舗が現在どのような形で残っているかは、
今回確認した資料だけでは判断できません。
あとがき
ファミマ、ココストア、そしてその前身がホットスパー。
この記事で懐かしさを感じた人もいたかもしれませんね。
出典・参考資料
一次資料
- 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス「店舗ブランド変更についてのお知らせ」(2008年1月1日掲載。Internet Archive、2008年2月16日保存)
- 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス「会社の歩み」(原ページ公開日不明。Internet Archive、2008年2月21日保存)
- 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス「ホットスパーのルーツ」(原ページ公開日不明。Internet Archive、2008年2月21日保存)
- 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス「会社概要」(店舗数の基準日2006年5月31日。Internet Archive、2008年2月21日保存)
- 株式会社ホットスパーコンビニエンスネットワークス「ホットスパーキッチン」(原ページ公開日不明。Internet Archive、2008年2月2日保存)
- 株式会社ポプラ「株式会社チックタックシステムズ及び北陸ホットスパー株式会社の株式譲受に関するお知らせ」(2004年11月12日)
- ミニストップ株式会社「業務提携解消に関するお知らせ」(2015年3月20日)
- 株式会社ファミリーマート「株式会社ココストアの株式取得の完了及び合併に関するお知らせ」(2015年10月1日)
- 株式会社ファミリーマート「株式会社ファミリーマートと株式会社ココストアの合併に関するお知らせ」(2015年12月1日)
- 株式会社ファミリーマート「株式会社ココストアリテールとの吸収分割契約締結に関するお知らせ」(2016年8月25日)
- 株式会社ファミリーマート「ココストア・エブリワン店舗 営業終了のお知らせ」(2016年10月31日)
- 株式会社ファミリーマート「サークルK・サンクスからファミリーマートへのブランド統合完了へ」(2018年11月29日)
二次資料
- 琉球朝日放送「ホットスパーが『COCO!』へ」(2007年12月13日)
- 石垣経済新聞「石垣島にコンビニ『ココストア』1号店−店内キッチン設け総菜にも注力」(2007年12月20日)
- 日本食糧新聞「ホットスパー、店内調理を84店に拡大 健康志向メニューの強化も」(2007年5月7日)
- コンビニウォーカー「会社沿革(ココストア)」(公開日不明)
※ホットスパーの当時の公式資料は、Internet Archiveに保存されたページを参照しています。また、国際SPARとのライセンス契約の満了・非更新や、ココストアイーストの商号変更・吸収合併の時期については、一部に当時の報道や二次資料を使用しており、契約原本や登記記録による確認はできていません。
