ココストアはなぜ消えた?ファミマ統合・閉店理由・ブランド終了について

焼きたてパンや店内調理の惣菜を目当てに、ココストアへ立ち寄った記憶をお持ちの方もいるでしょう。

このココストア、実は「エブリワン」を含め800店を超える規模を誇っていたんですよね。
ですが、残念ながら現在「ココストア」の看板は姿を消してしまいました。

その経緯を資料で追ってみたところ、
決して経営破綻による一斉閉店といった結末ではなかったのです。

2015年にファミリーマートがココストアを完全子会社化し、のちに吸収合併。
当初の方針通り順次ファミリーマートへと店舗転換が進められ、
2016年10月31日に両ブランドとしての営業を終えました。

【結論】

  • 終了時期:2016年10月31日にココストア・エブリワンとしての営業を終了
  • 終了形態:ファミリーマートによる完全子会社化・吸収合併後のブランド統合
  • 公式に確認できる理由:ファミリーマートへのブランド転換。買収側はマーケットシェアの獲得、店舗基盤の強化、仕入れ・物流・システムの統合などを目的として説明
  • その後:約650店舗のうち約370店舗をファミリーマートへ転換。一部の店舗・事業は別ルートでも承継
目次

ココストアがなくなるまでの年表

まず、全体の流れを時系列で並べます。

時期出来事
1972年7月5日株式会社ココストア設立
2010年5月末ココストア592店、エブリワン247店、合計839店
2012年ミニストップと業務提携
2015年ミニストップとの業務提携を解消
2015年9月8日ファミリーマートがココストアの完全子会社化を発表。
ファミリーマートへの順次ブランド転換も公表
2015年10月1日完全子会社化が完了。吸収合併を決議
2015年12月1日ファミリーマートが株式会社ココストアを吸収合併。
株式会社ココストアは法人として消滅
2016年10月31日全国のココストア・エブリワンが各ブランドでの営業を終了
2018年公表約650店のうち約370店をファミリーマートへ転換したとファミリーマートが説明

会社がなくなったのは2015年12月1日ですが、
ココストアの看板がなくなったのは2016年10月31日です。

ココストアはどういうコンビニだったのか

株式会社ココストアの設立日は1972年7月5日です。

1971年、愛知県春日井市に開店した藤山台店が1号店のようです。
そして、これが日本初のコンビニとも言われています。
※開店日を確認できる一次資料は見当たらず。
Wikipediaによると1971年(昭和46年)7月11日のようですが、その元としている資料も一次資料ではないことに注意。

2010年のココストアウエストとミニストップの共同公式資料によると、
同年5月末時点でココストア592店舗、エブリワン247店舗。合わせて839店舗でした。

839店舗すべてが「ココストア」の看板だったわけではありませんが、
当時かなりの店舗網を持っていたことは確かのようです。

2010年代、業界再編の流れへ

2012年、ココストアはミニストップと業務提携しました。

コンビニエンスストア事業を取り巻く経営環境の変化、
そして競争激化への対応が提携の理由だと説明されています。

しかしながら、この提携は2015年8月15日に解消されることとなります。
公式による理由としては、両社で協議した結果「当初の一定の目的を果たした」と判断したため、のようです。
それ以上の具体的な説明は見当たりませんでした。

そして2015年9月8日。

ファミリーマートは株式会社ココストアの全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。
取得価額は130億円。

当時、ココストアの株式は盛田エンタプライズが100%保有していたのですが、
ファミリーマートが同社から株式を取得する形で買収しています。

そしてこの時に、
ココストア店舗を「ファミリーマートに順次ブランド転換する」ということも発表されました。

会社は2015年、ブランドは2016年に消えた

完全子会社化は2015年10月1日に完了しました。

そして2015年12月1日、株式会社ココストアはファミリーマートに吸収合併されます。
存続会社はファミリーマートで、株式会社ココストアという法人はこの時点で消滅しました。

ただ、この時点ではまだココストアの看板は残っていました。
実は、店舗のブラント転換自体には約10ヶ月かけられています。

そして、2016年10月31日、
ファミリーマートは「ココストア・エブリワン店舗 営業終了のお知らせ」を発表。
ついにココストア全店舗のブランド転換が完了し、ココストアの看板が街から消えました。

なぜココストアのブランドはなくなったのか

ブランド終了の経緯については、ファミリーマートがかなり明確に発表しています。

まず、買収目的について。

マーケットシェアの効率的な獲得、北関東・中部・九州での店舗基盤強化、
商品・原材料の仕入れや物流、
システムなどの統合による効率化と競争力の強化。
そのためにココストアを買収したとのことです。

また、その際は「ココストア」という看板を継続するのではなく、
ファミリーマートへブランド転換するということも、発表されています。

「ココストア」という看板を残さなかった理由については特に発表されていないよ。
おそらくだけど、マーケティング戦略として、ブランドを統一することを選んだ、ということなのかもしれないね。

なぜ盛田エンタプライズはココストアを売却したのか

まず、当時ココストアの株式を100%保有していた親会社が「盛田エンタプライズ」です。

【盛田エンタプライズについて】

もともとは1947年設立の山泉商会で、1991年に「イズミック」へ社名変更。

その後、2005年の会社分割で旧イズミック本体が「盛田エンタプライズ」へ社名を改めました。
なお、酒類・食品卸売の営業部門は新たに設立された株式会社イズミックへ引き継がれ、
現在はMICSグループの統括事業会社と位置づけられています。

この盛田エンタプライズが、2015年にココストアの全株式をファミリーマートへ譲渡しました。

では、なぜ売却を決めたのでしょうか。

2015年9月8日付の盛田エンタプライズ名義の文書では、
ココストアが店内調理などを強みに、大手コンビニチェーンとの差別化を進めてきたことに触れています。
一方で、今後はさらに厳しい競争環境になるだろうということも予想していました。

そのうえで、加盟店が将来にわたって営業を継続していくことや、
ココストアの企業価値を高めることを優先し、ファミリーマートへの株式譲渡を決めた、
という趣旨が説明されています。

※資料について
今回確認できた盛田エンタプライズ名義の文書は、現在の同社公式サイトに残っている原本ではなく、
当時の資料を保存した第三者サイト上のものであることには注意。

つまり、厳しくなる事業環境のなかで、
加盟店の営業継続や企業価値を考えた結果、
ファミリーマート傘下に入るという判断をした、ということだね。

実はココストアは営業総収入や営業利益が減少していて、
赤字にもなっていたんだ。
そのぐらい厳しい環境になってきていたみたいね。

赤字が直接の売却理由であるとは言っていないけれど、
盛田エンタプライス側の企業価値の向上も考えて、
株式譲渡を決めた、という感じかな。

買収前に業績は低下していた

そう、ココストアの業績は低下していたのです。
ファミリーマートが公表した買収資料には、ココストアの直近3期の業績も掲載されていました。

営業総収入の推移は以下の通り。

決算期営業総収入営業利益当期純利益
2013年5月期515億6700万円6億8900万円4億9300万円
2014年5月期484億1200万円6億1400万円7億4500万円
2015年5月期462億9800万円4億9800万円1億2900万円の赤字

※2014年5月期について
経常利益から当期純利益に至るまでの特別損益や税金などが影響したことは数字から分かりますが、その具体的な内訳は確認できませんでした。ココストアは未上場会社で、今回の調査では有価証券報告書のように詳細な損益内訳を追える公開資料も確認できていません。

ココストアの店舗はその後どうなったのか

ココストア・エブリワンの店舗は、ブランド終了後にすべて同じ道をたどったわけではありません。

まず大きな受け皿になったのが、ここまで書いてきたように、ファミリーマートです。

一方、一部の店舗や事業は別の会社へ引き継ぐ動きもありました。
そこで登場するのがミツウロコグループです。

ミツウロコグループは、LPガスや石油、電力などのエネルギー事業を手がける一方、
食品や飲食、小売の事業も展開している企業グループです。

現在もフーズ事業の一つとして、
ボランタリーチェーンストアやコンビニエンスストア「RIC」「TAC-MATE」などを運営しています。

ココストアの一部事業の承継の流れは以下の通り。

  1. 約370店舗はファミリーマートへ転換
    ファミリーマートは2018年、ココストア・エブリワン約650店舗のうち、
    約370店舗をファミリーマートへブランド転換したと公表。
  2. 一部の店舗・事業はミツウロコ側へ承継する計画に
    2016年、ファミリーマートはココストアから承継した事業の一部について、
    ココストアリテールを通じてミツウロコ側へ譲渡する計画を発表。
  3. 当初は69店舗を承継する契約を締結
    2016年8月、ココストア・エブリワン69店舗をココストアリテールへ承継する契約を発表。
  4. 69店舗の契約はいったん解除
    ところが、2016年9月28日にこの契約はいったん解除される。
    ファミリーマートは、登記手続きに関する当局の指導を受けたことなどを理由として説明。
  5. 最終的には30店舗で改めて契約
    2016年10月31日、改めて契約が締結され、最終的な対象は30店舗となる。

FAQで要点整理

ここまでの内容や、補足事項をFAQ形式で整理します。

Q. ココストアは復活する予定がありますか

A. 今回確認した2026年9月時点のファミリーマートやミツウロコの公式情報では、ココストアブランド復活の発表は確認できません。

今後も絶対に復活しない、という意味ではありません。現時点で公式な復活計画を確認できない、という状況です。

Q. ココストアは倒産したのですか?

A. いいえ、倒産による消滅ではありません。

2015年にファミリーマートが株式を取得して完全子会社化し、
同年12月に株式会社ココストアを吸収合併しました。

なお、法人は吸収合併によって消滅しています。

Q. ココストアはいつなくなったのですか?

A. 会社とブランドで日付が違います。

株式会社ココストアという法人は2015年12月1日の吸収合併で消滅しました。

ココストアという店舗ブランドは2016年10月31日に営業を終了しています。

Q. ココストアは全部ファミリーマートになったのですか?

A. 全部ではありません。

ファミリーマートによる発表によると、ファミリーマートへブランド転換したのは、
ココストア・エブリワン約650店舗のうち約370店舗です。

一部の店舗や事業は別ルートでも承継されました。

Q. ココストアがなくなったのは売上不振が原因ですか?

A. 買収前に業績が低下していたことは確認できますが、
それを直接の原因とする公式説明は確認できませんでした。

確かに、最終赤字となっています。(2015年5月期)
ですが、それを理由とした発表は見当たりませんでした。

Q. 大手コンビニとの競争に負けたから消えたのですか?

A. 競争環境が厳しくなっていたことは公式資料で確認できます。

ですが、「競争に負けたことがブランド終了の直接原因だった」と断定できる資料はありませんでした。

あくまでも、ファミリーマートによる買収、吸収合併、ブランド転換が直接の経緯となっています。

Q. ココストアとエブリワンはどういう関係ですか?

A. エブリワンもココストア側の店舗ブランドとして、
ファミリーマートによる買収・統合の対象となりました。

両ブランドとも2016年10月31日に営業を終了しています。

Q. ミニストップとの提携解消が、ファミマへの売却の原因ですか?

A. その因果関係は確認できません。

ミニストップとの業務提携が2015年に解消されたこと、
その後ファミリーマートへの株式譲渡が行われたことは事実です。

ただし、前者が後者を引き起こしたとする公式説明は今回確認できませんでした。

あとがき

実は、私はココストアについてあまり記憶がありません。

子どもの頃からの生活圏の中に店舗がなかったんですよね。

今回あらためて調べてみて、店内調理を前面に出したコンビニが、
これだけの規模で展開されていたことを初めて知りました。
焼きたてパンや店内で作る商品を楽しみに通っていた人も、きっと多かったのだろうと思います。

今のファミリーマートが店内調理をしていないことを考えると、やっぱり少し寂しいものですね。

出典・参考資料

一次資料

二次資料

※上記は当時の盛田エンタプライズ名義文書を保存した第三者サイトです。今回の調査では、現行公式サイトまたはWARP上の原本までは確認できていません。

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