NAVERまとめはなぜ消えた?終了理由とその後の行方を解説

NAVERまとめは、インターネット上の情報を利用者が集め、
テーマ別の記事として公開できるサービスでした。

2009年に始まり、多くのまとめ記事が作成されましたが、2020年9月30日にサービスを終了しました。

市場やサービス環境の変化、今後の成長性、LINEグループ全体での選択と集中ため。

運営側はそう説明しています。
当時、著作権や記事の信頼性をめぐる問題もありましたが、
それだけが終了の直接的な原因だったかどうかは確認できません。

終了後は過去の記事も公式サイトで閲覧できなくなり、運営会社の登記記録も後に閉鎖されました。

【結論】

  • 終了時期:2020年9月30日。終了方針は同年7月1日に発表。
  • 終了形態:NAVERまとめのサービス自体が終了し、既存記事の一般閲覧やアプリの提供も終了。
  • 終了理由:公式は市場・サービス環境の変化、単独サービスとしての成長性、LINEグループ全体の選択と集中を挙げている。
  • その後:検索事業へのノウハウ活用方針が示されたが、同等の公式後継サービスは確認できない。運営会社の登記記録は2021年12月24日に閉鎖。
目次

NAVERまとめの歴史を年表で整理

流れを簡単に年表で見ていきましょう。

年月出来事
2009年7月NAVERまとめがサービス開始
2010年11月記事作成者へのインセンティブ制度を開始
2012年12月アクセスの質を重視する報酬制度への変更を発表
2015年1月月間31億PVを記録
2016〜2017年著作権保護や記事の信頼性向上に向けた施策を発表・導入
2017年11月ネクストライブラリ株式会社に事業を承継
2020年7月サービス終了を発表
2020年9月30日サービス終了。過去記事も一般閲覧ができなくなる
2021年12月24日ネクストライブラリの登記記録が閉鎖

NAVERまとめはどんなサービスだった?

NAVERまとめは、2009年7月1日に始まったユーザー参加型の情報整理サービスです。

利用者はテーマを決めたあと、
インターネット上の文章や画像、動画、Webページへのリンクなどを集ることで、
一つの「まとめ記事」を作成できました。
一言で言うならば、ネット上に散らばる情報を、テーマごとに整理して公開する仕組みです。

もともとNAVERは検索サービスを展開しており、
NAVERまとめも人の知識や観点を活用する新しい検索サービスの一つとして生まれたものでした。

2010年11月には「インセンティブプログラム」を開始します。
これは、作成したまとめ記事の閲覧実績などに応じて、投稿者が報酬を受け取れる制度です。

こうした利用者参加型の仕組みのもと、NAVERまとめには大量の記事が蓄積されていきました。

サービス終了時に公表された統計によると、11年間に作られたまとめ記事は約180万本、
累計ページビューは1,718億PVに達していたとのことです。
しかも2015年1月には、月間31億PVを記録していました。

利用者が情報を集めて記事を作り、その記事が多くの人に読まれる。
NAVERまとめは、こうした仕組みを持つ大規模なWebサービスでした。

NAVERまとめが終了するまでになにがあったか

アクセスの量だけでなく質を重視する報酬制度へ

NAVERまとめでは、記事の閲覧実績に応じて報酬が支払われる仕組みを導入していましたが、
運営を続ける中で、その制度を見直す必要も生じていました。

というのも、報酬を得る目的で記事を機械的に大量作成したり、
自分の記事へ誘導するリンクを並べたりする行為が多く見られたためです。
NAVERまとめは利用者自身が記事を作るサービスであったため、
投稿を促す仕組みと、記事の品質を保つための仕組みの両方が運営上の課題になっていました。

この課題に対策すべく、2012年12月、当時の運営会社であるNHN Japanは、
インセンティブプログラムの全面刷新を発表します。

それは、2013年1月からは単純なアクセス数だけでなく、
記事への流入元や閲覧者の滞在時間なども報酬の評価に反映する仕組みにするというものでした。
つまり、記事がどれだけ表示されたかだけではなく、
ちゃんと読まれているかどうか? というのも評価に入れよう、ということです。

著作権保護と記事の信頼性向上に向けた取り組み

NAVERまとめでは、インターネット上の画像などを利用して記事を作成できることから、
著作権やコンテンツの信頼性をめぐる問題にも対応しなければなりませんでした。

そこで2016年12月、LINEはNAVERまとめに関する公式見解で、
利用規約やガイドラインに沿って、365日体制ですべてのまとめ記事を監視していると説明しました。

この発表によると、それまでに作成された全まとめ記事の33.7%、
およそ3本に1本が「非表示処理済み」だったとしています。

この「非表示処理」とは、記事を一般の利用者が閲覧できない状態にするということです。

NAVERまとめでは、法令違反、公序良俗に反する内容、他人の権利を侵害する内容、
虚偽情報の流布、商用利用などを禁止事項として定めていました。
よって、この禁止事項に該当するものが非表示処理となったのだろうと推察されますが、
実際にどのような内容で非表示にしたかと言う詳細までは公表されていません。
品質低下が理由のものもあるようです。

また、2016年12月8日からは、
著作権者から侵害の申告があった場合はいったん該当するまとめ記事を非表示。
その後、作成者が利用許諾などの正当性を証明できれば表示を再開する仕組みも導入されました。

そして2017年11月には、
著作権保護と記事の信頼性向上を目的とした二つの仕組みがテスト導入されました。

Lisah(リサ)(著作権管理システム)

権利者が画像を登録し、NAVERまとめ内での利用を検出して、
掲載停止やクレジットの変更などを求められる仕組み

オーサーランク

本人確認や作成者の経歴・プロフィールなどを通じて、記事の信頼性を判断しやすくする取り組み

このように、報酬制度の見直しに続き、
著作権保護や作成者の信頼性についても運営側は具体的な対策を進めていたのです。

2017年、会社分割によって運営を新会社へ引き継ぐ

著作権保護などの取り組みが進められていた2017年、NAVERまとめの運営体制にも変化がありました。

同年9月29日、LINE株式会社は、NAVERまとめ事業を
新たに設立する子会社「ネクストライブラリ株式会社」に引き継ぐと発表しました。
その目的は、NAVERまとめに限らないユーザー参加型サービスの拡充と、
事業運営の機動力を高めることでした。

同年11月、LINEはこの会社分割という形で、NAVERまとめ事業をネクストライブラリへ事業承継しました。
※事業承継:特定の事業を別の会社へ引き継ぐこと。事業承継には、会社分割の他に相続や株式譲渡等がある

これにより、NAVERまとめの運営会社はLINEからネクストライブラリへ変わりました。
サービス自体は継続しており、当時は事業拡大を目指した運営体制の変更でした。

その約3年後、2020年にはNAVERまとめのサービス終了が決定されました。

NAVERまとめはなぜ終了したのか?

市場環境の変化と選択と集中のため

2020年7月1日、NAVERまとめは公式ブログで、同年9月30日をもってサービスを終了すると発表しました。

運営側が終了判断の理由として挙げたのは、主に次の三つです。

  • サービス環境・市場環境の変化
  • 単独サービスとしての今後の成長性
  • LINEグループ全体での選択と集中

これらを総合的に検討した結果、サービス終了を決定したと説明しています。

2017年には新会社での事業拡大を目指していました。
ですが、2020年の発表では、NAVERまとめを単独サービスとして継続・成長させていくことや、
グループ全体の経営資源の配分が判断材料になっていました。

なお、終了直前の売上高や利益、利用者数の推移など、判断に至った具体的な数値は示されていません。よって、
どの要因がどの程度影響したのかというのは、公式にはわかりません。

著作権問題や検索環境の変化は関係していたか

NAVERまとめの終了については、著作権問題や検索環境の変化との関係も報じられています。
ここでは、どのような報道がなされていたかについて書いてきます。
※公式が直接発表したものではないことには注意

Business Insider Japan

LINE広報への取材をもとに、著作権問題や誹謗中傷への対応責任、
新型コロナウイルス感染症の影響による広告費の下落などが取り上げられました。

また、利用規模が伸び続けているサービスではなかったということも説明しています。

なお、当時進められていたLINEとZホールディングスの経営統合については、
LINE広報はNAVERまとめ終了との直接的な関係を否定しました。

ITmedia NEWS

2016年のWELQ問題や2017年のGoogleの検索アルゴリズム変更など、
キュレーションサイトを取り巻く環境の変化について報じています。

※キュレーションサイト:インターネット上の文章や画像、記事などを特定のテーマに沿って収集・整理し、まとめて紹介するWebサイトのこと。NAVERまとめやWELQも、その一種にあたる。

※WELQ問題:
2016年、DeNAが運営する医療・健康情報サイト「WELQ」で、
医学的根拠が不明確な記事や、他サイトの文章の不適切な利用などが問題になった事件のこと。
DeNAはWELQの全記事を非公開。
しかしこの問題は同社が運営する他のキュレーションメディアにも広がった。
NEVERまとめとはまた別の問題だが、この事件により、サイトを取り巻く環境がより厳しくなった。

NAVERまとめはいつ終了し、過去の記事はどうなった?

NAVERまとめの終了日は、2020年9月30日です。

ただし、終了発表と同時にすべての機能が停止したわけではありません。
運営側は、2020年7月1日の発表で段階的な停止日程を案内しました。

まず、7月31日に新規アカウント登録を停止。
2ヶ月後の9月30日にはサービスを終了、公開されていたまとめ記事も閲覧できなくなりました。

下書きや非表示となっていた記事も含め、サービス終了後は記事を閲覧できない扱いとなり、
iOS・Android向けの「NAVERまとめリーダー」も提供を終了しました。

その一方で、投稿者が自分の記事を保存するためのダウンロード機能は、
2020年11月30日まで提供すると案内されていました。
ですが、ダウンロードできるのはMT形式のデータで、画像は含まれませんでした。
このMT形式はブログなどへの記事データの移行に使える形式ですが、
NAVERまとめのページをそのまま復元できるというものではなかったのです。

また、投稿者へのインセンティブについては、
2021年2月16日まで支払い申請機能を提供する予定とされていました。

NAVERまとめの終了後はどうなった?

過去の記事を読めるアーカイブは残っている?

NAVERまとめの過去記事は、前述の通り2020年9月30日のサービス終了によって、
公式サイトでは閲覧できなくなりました。

投稿者向けのダウンロード機能は用意されていましたが、
これは自分が作成した記事のデータを取得するためのものです。
一般利用者が以前の記事を検索・閲覧できる公式アーカイブとは異なります。

ただ、第三者によるWeページ保存サービスにて保存されているものもあり、
過去記事がインターネット上から完全に消去されたわけではないようです。
※いわゆるデジタルタトゥーの一種でもありますね。

検索事業へのノウハウ活用と後継サービスの有無

NAVERまとめの終了発表では、サービスを通じて培った情報の集約・整理に関するノウハウを、
LINEの新しい検索事業に活用する方針も示されました。

事実、LINEは2019年に検索機能を「LINE Search」として更新しており、
その後も検索事業を展開していました。

2023年6月には、LINEとヤフーが検索事業の連携強化を発表し、
LINE SearchのWeb検索をYahoo!検索に切り替える方針を示しています。

ですが、これはあくまでも検索事業のノウハウ活用方針であり、
NEVERまとめのような記事を作成・公開できるサービスは展開されていません。

運営会社ネクストライブラリはその後どうなった?

NAVERまとめの終了当時、運営していたのはネクストライブラリ株式会社でした。
同社は2017年にLINEの子会社として設立され、NAVERまとめ事業を承継した会社です。

この「ネクストライブラリ株式会社」は、
2021年12月24日に、「清算の結了等」を理由として登記記録が閉鎖されました。
※経済産業省のgBizINFO調べ

  • NAVERまとめのサービスが終了した2020年9月30日
  • 運営会社の登記記録が閉鎖されたのは2021年12月24日

FAQで要点整理

ここまでの内容をFAQ形式でまとめていきます。

NAVERまとめはどんなサービスだった?

2009年に始まった、利用者がネット上の情報を集めて記事を作成・公開できるサービスです。

作成者への報酬制度もあり、約11年間で累計約180万本のまとめ記事が作られました。

NAVERまとめはなぜ終了した?

運営側は、市場・サービス環境の変化、単独サービスとしての今後の成長性、
LINEグループ全体の選択と集中を理由として説明しています。

NAVERまとめはいつ終了した?運営会社もなくなった?

サービスは2020年9月30日に終了しました。

運営会社のネクストライブラリは、その後の2021年12月24日に清算の結了等を理由として
登記記録が閉鎖されています。

NAVERまとめの過去記事は今も読める?

公式サイトでは2020年9月30日に旧記事の閲覧が終了しました。

全記事を閲覧できる公式アーカイブは確認できず、
Internet Archiveなどで個別の記事が現在どこまで閲覧できるかも未確認です。

NAVERまとめの後継サービスはある?

LINEはNAVERまとめのノウハウを検索事業に活用する方針を発表しました。

ただし、旧記事や記事投稿機能を直接引き継いだ公式後継サービスは、
今回の調査では確認できていません。

あとがき

NEVERまとめにはお世話になった人も多いかもしれませんね。

私はこのサービスは利用していなかったので、
そういえばこんなのもあったなぁと言うのが正直な感想なのです…。

しかし、LINEもだいぶ変わりましたよね。

出典・参考資料

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