Yahoo!ジオシティーズは、個人や団体が自分のホームページを作成し、
インターネット上に公開できるサービスでした。
利用していた方もいらっしゃるのではないでしょうか?(ドメインにgeocitiesって入っていましたよね)
日本では1997年に始まり、Yahoo! JAPANのサービスとして長く提供されていましたが、
残念ながら2019年3月31日に終了しました。
採算面の問題と、システムの維持に関する技術的な課題が終了理由として発表されています。
サービス終了後、それまで公開されていたホームページは、
基本的には従来のURLでは表示できなくなっています。
【結論】
- 終了時期:2019年3月31日にサービス終了。
- 終了形態:ホームページの公開・管理サービスそのものが終了。単なる名称変更や運営会社の統合ではない。
- 終了理由:採算面の問題と、今後のシステム維持に関する技術的な複数の課題。
- その後:他社サービスへの移行措置やデータダウンロード期間が設けられ、
一部のホームページはWebアーカイブにも保存された。
Yahoo!ジオシティーズの年表
| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 1997年9月 | 日本版ジオシティーズがサービス開始 |
| 2000年3月 | ジオシティーズ株式会社がヤフーに吸収合併され、サービスは継続 |
| 2008年7月 | ホームページ開設数が400万件を突破 |
| 2018年10月 | ヤフーがサービス終了を発表 |
| 2019年3月 | Yahoo!ジオシティーズがサービス終了 |
| 2019年9月 | 設定済みの移行先URLへの転送期間が終了 |
| 2020年3月末 | データダウンロード期間が終了。翌4月1日にはデータ削除を予定 |
| 2023年10月 | 旧ヤフー株式会社を含む企業再編によりLINEヤフー株式会社が発足 |
Yahoo!ジオシティーズはどんなサービスだった?
仮想の街から始まったホームページサービス
ジオシティーズの原型となった米国のGeoCitiesは、
インターネット上に仮想の街を設け、
利用者が自分のホームページを持てるサービスとして始まったものです。
初期のGeoCitiesには、趣味や関心に応じたテーマ別のコミュニティーがありました。
利用者が興味のある分野を選び、そこに自分のページを開設するという仕組みです。
※パソコン通信世代の方なら、ページではなく掲示板(伝言板)やチャットを作成、というイメージに近いかもしれません。
そして日本では、1997年9月にジオシティーズのサービスが始まりました。
企業やメディアだけではなく、私たちのような個人も自分でホームページを作り、
情報を発信できるようになったのです。
ホームページの作成・更新とYahoo! JAPANとの連携
Yahoo!ジオシティーズでは、ホームページ作成・編集ツールを使ってページを作るほか、
FTPを利用して作成済みのファイルをアップロードすることもできました。
※FTP:File Transfer Protocol。パソコンからサーバーへ、ホームページのファイルなどを転送するための通信方式。
無料で利用できるプランに加え、有料サービスも用意されていました。
2008年当時は、無料サイトへの広告掲載と有料会員からの課金が収益源だったと報じられています。
サービスの機能も提供期間中に拡充されていきました。
2000年8月には携帯電話のiモードに対応したホームページを作成できるように。
さらに2003年12月には、Yahoo! JAPAN IDによる利用や、Yahoo!アバター、
Yahoo!カレンダーなどとの連携もできるようになっていました。
自分のホームページを公開するという基本的な役割を保ちながら、
Yahoo! JAPANの他のサービスとも連携する仕組みが整えられていったのです。
Yahoo!ジオシティーズはどのようにして終了していったのか
2000年にヤフーへ吸収合併、サービスはその後も継続
日本版ジオシティーズは、当初、ジオシティーズ株式会社によって運営されていました。
ですが、2000年1月14日、ヤフー株式会社はジオシティーズ株式会社などを吸収合併する方針を発表。
同年3月1日に合併を実施しました。
ヤフーの説明によれば、この合併の目的は各社の機能やノウハウを集約し、
新しいサービスの創出や経営基盤の安定につなげるため、とのことです。
この合併によってジオシティーズ株式会社という法人はなくなりましたが、
ホームページ公開サービスはYahoo!ジオシティーズとして継続しました。
だからこそ、携帯電話への対応やYahoo! JAPANの関連サービスとの連携などの機能の拡充が進められたのです。
2008年にはホームページ開設数が400万件を突破
2008年7月、Yahoo!ジオシティーズのホームページ開設数が400万件を突破したことが発表されました。
当時のITmedia NEWSによると、
このうち月に1回以上更新されているサイトは60万〜70万件だったとされています。
長年にわたって多数のホームページが開設されていましたが、
すべてが継続的に更新されていたわけではありません。
(更新が止まったホームページも多くありましたよね…)
なお、400万件という数字は2008年時点の開設数です。
2019年のサービス終了時に、どれだけのホームページが残っていたかを示すものではありません。
2018年にサービス終了を発表
多くのホームページを生み出したサービスも、ついに終わりを迎えることになります。
2018年10月1日、ヤフーはYahoo!ジオシティーズを2019年3月31日で終了すると発表しました。
1997年の日本版開始から約21年が経過していました。
終了の発表に伴い、利用者には他社のホームページサービスへの移行や、
公開しているデータの保存が案内されました。
2018年12月21日付のヤフーの通知書面では、
メールによる終了案内が届かなかった利用者に対しても、
サービスの終了日や必要な手続きが説明されています。
終了日までに移行先を確保する必要がありましたが、
データのダウンロードなどにはサービス終了後も一定の猶予期間が設けられていました。
Yahoo!ジオシティーズはなぜ終了したのか
Yahoo!ジオシティーズの終了理由については、ヤフーは2018年10月1日の公式告知にて、
採算面の問題と今後システムを維持するための技術的な複数の課題を理由としています。
これらを総合的に勘案した結果、サービスの継続は困難であると判断したとのことです。
なお、2008年には400万件を超えるホームページが開設されていましたが、
その後の利用者数や収益がどのように変化したのか、終了直前の詳しい数値は確認できていません。
技術面についても、公式告知ではシステム維持に関する複数の課題が挙げられているものの、
具体的にどの設備や仕組みに問題があったのかまでは明らかにされていません。
あくまでも「採算面と技術面の両方を踏まえた継続困難による」という判断です。
Yahoo!ジオシティーズ終了後、ホームページはどうなった?
2019年3月末に公開終了、移行には猶予期間があった
Yahoo!ジオシティーズは、予定通りに2019年3月31日にサービスを終了しました。
翌4月1日以降、従来のホームページの表示や編集はできなくなりました。
ただし、利用者向けの移行措置やデータ保存に関する対応は、サービス終了後も一定期間続けられました。
例えば以下のように。
- 事前に移行先への転送を設定していた場合は、
旧URLから新しいURLへの転送は2019年9月30日まで提供される - ホームページのデータのダウンロードについては、2020年3月末までの1年間は可能とする
- Yahoo!ドメインの関連オプションは終了するが、Yahoo!ドメイン自体は2019年4月以降も継続する
- 独自ドメインを使っていた場合は、別途ドメインの移管や継続に関する手続きが必要
そして、2020年4月1日にサーバー上のすべてのデータを削除する予定だということも、
2018年12月21日付のヤフーの通知書面にて伝えられています。
※なお、実際の削除処理が完了した日時までは確認できていません。
猶予期間は設けつつも、それでも2020年3月31日には全てが終わるようになっていたということですね。
一部のホームページは移行先やWebアーカイブに残っている
サービス終了後も、Yahoo!ジオシティーズで作られたホームページの一部は別の場所に残っています。
利用者自身が他社のホームページサービスへ移行した場合は、
もちろん移行先での公開が続けられていました。
また、Webアーカイブによって保存されたページもあります。
インターネット上の情報を保存する活動を行っているArchiveTeamは、
Yahoo!ジオシティーズ日本版の保存作業を実施しました。
ArchiveTeamの記録には、2018年11月に実施した大規模な収集作業が記載されています。
保存されたデータの一部は、Internet Archiveのコレクションにも残されています。
※ArchiveTeamは広範囲の保存を試みたようですが、
収集方法の制約などにより一部しか保存できなかったようです。
運営会社のその後と後継サービスの有無
Yahoo!ジオシティーズが終了した2019年当時、運営会社のヤフー株式会社は事業を継続していました。
その後、約4年後となる2023年10月1日に企業再編が行われ、
ヤフー株式会社はZホールディングス株式会社を存続会社とする吸収合併によって消滅しました。
存続会社はLINEヤフー株式会社へ商号を変更しています。
FAQで要点整理
ここまでの内容をFAQ形式でまとめていきます。
- Yahoo!ジオシティーズはどんなサービスだった?
-
個人や団体が自分のホームページを作成・公開できるサービスです。
日本では1997年9月に始まり、2000年に運営会社がヤフーへ吸収合併されたあとも提供が続き、
2008年にはホームページ開設数400万件を突破しました。 - Yahoo!ジオシティーズはなぜ終了した?
-
ヤフーは、採算面の問題とシステム維持に関する技術的な複数の課題を理由として説明しています。
具体的な収支状況や技術的課題の詳細は、今回の調査では確認できていません。
- Yahoo!ジオシティーズはいつ閉鎖された?
-
2019年3月31日にサービスを終了しました。
事前設定されたURL転送は同年9月30日まで提供され、
データダウンロードには2020年3月末までの期限が設けられていました。 - 昔のジオシティーズのホームページは今も見られる?
-
一部のホームページは、他社サービスへの移行やWebアーカイブへの保存によって残っています。
ですが、すべてのページが保存されているわけではありません。
- Yahoo!ジオシティーズの移行先や後継サービスはある?
-
終了時には他社のホームページサービスへの移行が案内されました。
しかしながら、Yahoo!ジオシティーズの事業全体を引き継ぐ正式な後継サービスは、
今回確認した資料では確認できていません。 - Yahoo!ジオシティーズの運営会社もなくなった?
-
当初のジオシティーズ株式会社は2000年にヤフーへ吸収合併されましたが、
サービスはその後も継続しました。2019年の終了後もヤフーの事業は続き、2023年の企業再編によって
LINEヤフー株式会社につながっています。
あとがき
Yahoo!ジオシティーズ、懐かしいですね。
私は別のサーバーを利用していましたが、
当時のネット仲間にはYahoo!ジオシティーズを利用していた方も結構いました。
(ほとんどがそうだったかもしれません)
当時の仲間たちは、Yahoo!ジオシティーズ自体が終了する前に更新が途絶えてしまいましたが…
そんなサイトもたくさんありましたよね。
不意にいろんなことが懐かしくなりました。
出典・参考資料
一次資料
- 「ジオシティーズ株式会社を設立」 — ソフトバンク、1997年6月16日。
- 「米国ジオシティーズ社の株式公開について」 — ソフトバンク、1998年8月12日。
- 「Yahoo! JAPANとジオシティーズ、ブロードキャスト・コムが合併」 — ヤフー、2000年1月14日。
- 「Yahoo! JAPANとジオシティーズ、ブロードキャスト・コムが合併」 — ヤフー、2000年3月1日。
- 「Yahoo!ジオシティーズがiモードに対応」 — ヤフー、2000年8月7日。
- 「Yahoo!ジオシティーズの機能が大幅に拡充」 — ヤフー、2003年12月11日。
- 「Yahoo!ジオシティーズ サービス終了のお知らせ」(保存PDF) — ヤフー、2018年10月1日付の公式告知を第三者が保存した資料。
- 「Yahoo!ジオシティーズサービス終了のご案内」(保存PDF) — ヤフー、2018年12月21日付の通知書面を第三者が保存した資料。
- 「ジオシティーズオプション機能サービス終了について」 — Yahoo!ドメイン、2019年1月11日。
- 「LINEヤフー株式会社発足」 — LINEヤフー、2023年10月1日。
- 「GeoCities Japan」 — ArchiveTeam。日本版ジオシティーズの保存活動に関する当事者資料。
- 「ArchiveTeam GeoCities Japan」 — Internet Archive。保存されたデータのコレクション。
二次資料
- 「Yahoo!ジオシティーズ 400万開設突破」 — ITmedia NEWS、2008年7月30日。
- 「ホームページ開設数400万件を突破」 — INTERNET Watch、2008年7月30日。
- 「21年の歴史に幕」 — Impress Watch、2018年10月1日。
- 「Yahoo!ジオシティーズ終了」 — ITmedia NEWS、2019年4月1日。
