エブリワンはなぜ消えた?ファミマ転換の理由とココストアとの関係

九州を中心に展開していたコンビニ「エブリワン」。
今は見かけなくなってしまいました。

エブリワンはなぜ消えたのでしょうか。

資料を追いかけてみたところ、
エブリワンを傘下に持っていたココストアがファミリーマートに買収され、
その後の再編でファミリーマートへのブランド転換が進められたことがわかりました。

【結論】

  • 2016年10月31日、ファミリーマートが全国のココストア・エブリワン店舗の営業終了を公式発表
  • ココストアの買収・吸収合併後に進められたファミリーマートへのブランド統合
  • ファミリーマートは、マーケットシェアの効率的な獲得、競争力の向上、店舗基盤の強化、
    仕入れ・物流・システムなどの統合による効率化を目的として説明
  • ココストア・エブリワン約650店のうち約370店がファミリーマートへ転換。
    一部の事業・店舗は別の形で承継
目次

エブリワンが消えるまでの年表

まずは全体の流れを年表にて。

年月出来事
1994年10月後のココストアウエストとなる会社が設立
1994年11月二次資料では、熊本市の「エブリワン須屋店」が1号店として開店
2001年ココストアが寿屋系のコンビニ会社を傘下に収めることで合意
2009年「株式会社エブリワン」が「株式会社ココストアウエスト」へ名称変更
2010年5月一次資料でエブリワン247店を確認
2012年7月一次資料でエブリワン238店を確認
2015年9月8日ファミリーマートがココストアの完全子会社化を発表
2015年10月1日ココストアの完全子会社化が完了
2015年12月1日ファミリーマートがココストアを吸収合併
2016年ココストア・エブリワンからファミリーマートへのブランド転換が進む
2016年10月31日ファミリーマートが全国のココストア・エブリワン店舗の営業終了を発表
2018年ファミリーマートが、約650店のうち約370店をファミリーマートへ転換したと公表

エブリワンはどんな流れでココストア傘下に入ったのか

エブリワンの出発点は、熊本のスーパー「寿屋」系のコンビニ会社でした。

運営会社は「株式会社コトブキヤ・コンビニエンスシステムズ」。
後に「株式会社エブリワン」、さらに「株式会社ココストアウエスト」へと社名を変えていく会社です。

同社の設立日は1994年10月13日。
※2010年にココストアウエストとミニストップが公表した公式資料による

エブリワンの店舗展開が始まったのも1994年です。
マイナビニュースが、同年11月に熊本市で1号店「エブリワン須屋店」が開店したと伝えています。

その後、運営体制が変わっていきます。

  • 1999年、コトブキヤ・コンビニエンスシステムズなど3社の業務を統合する形で
    「九州コンビニエンスシステムズ」が設立。
  • 2000年にはココストアと資本・業務提携。
  • 2001年にはココストア傘下へ。
  • 2009年、株式会社エブリワンは「株式会社ココストアウエスト」へ社名変更。

会社名だけをまとめるならば、
「コトブキヤ・コンビニエンスシステムズ → エブリワン → ココストアウエスト」となります。

寿屋系のコンビニとして始まったんだね。
その後、資本・組織再編によって
ココストアグループに入ったってことだね。

店舗数について

エブリワンの規模については、調査しづらいところがありました。

一次資料で確認できる店舗数としては、2010年5月時点で247店、2012年7月末時点で238店。

ところが、ネット上では「最盛期338店」という数字も見かけたんですよね。
でもそれを明確に裏付ける一次資料は見つけられませんでした。

なお、古い資料にはSPARなど別ブランドを含むとみられる集計もあったので、
もしかしたらそれ含みかもしれません。

2015年、ココストアがファミリーマート傘下へ

ブランドの行方を大きく変えたのが2015年でした。
9月8日、ファミリーマートは株式会社ココストアを完全子会社化すると発表します。

また、ココストアの店舗を順次ファミリーマートへブランド転換する方針も示されました。

そうして、10月1日には株式取得が完了。
ココストアはファミリーマートの完全子会社になります。

そこから2か月後の12月1日、ファミリーマートはココストアを吸収合併したのです。
つまり、会社としてのココストアはここで消滅しました。

翌2016年、店舗のブランド転換が進み、
10月31日に全国のココストア・エブリワン店舗の営業を終了しました。

なぜエブリワンは消えたのか

ファミリーマートが公式に説明している、買収後の事業統合の目的を見てみましょう。

2015年9月の完全子会社化発表によると、以下のことがわかります。

  • ココストアを傘下に収めることでマーケットシェアを効率的に獲得、
  • 競争力を高めていける
  • 北関東・中部・九州で店舗基盤を強化することも目的の一つ
  • 商品や原材料の仕入れ、物流、システム基盤などを統合し、経営インフラを効率化

その事業再編の一環として、
ココストアとエブリワンはファミリーマートへ順次ブランド転換されたのです。

一方、ココストア側が会社を売却することになった具体的な理由については公表されていないようです。

背景には競争激化もあったと推察される

当時、コンビニ業界を取り巻く競争が厳しかったことは、公式資料にも残っています。

  • 2012年にココストア各社とミニストップが発表した業務提携資料にて、「経営環境の変化と競争激化に対応するため」という趣旨の説明あり
  • 2015年のファミリーマートによる買収発表にも、「厳しい競争環境」という認識が示されている

このように、コンビニ業界における競争が激化していたこと自体は、一次資料から確認できます。

ですが、それをエブリワンが消えたのは競争に負けたから、
というふうに結びつけることはできません。

確かに、ココストアの業績も落ちてはいたが……

買収直前のココストアの業績も、ファミリーマートの資料から確認できます。

決算期営業総収入営業利益当期純利益(損失)
2013年5月期515億6700万円6億8900万円4億9300万円
2014年5月期484億1200万円6億1400万円7億4500万円
2015年5月期462億9800万円4億9800万円▲1億2900万円

ですが、これもまた、売却の理由としては説明されていません。

一次資料では、競争激化や業績そのものを売却理由としては説明されていない、ということだね。

エブリワンの店舗はその後どうなったのか

ブランド名は消えましたが、旧店舗がすべて閉鎖されたわけではありません。

ファミリーマートが2018年に公表した資料によると、
ココストアとエブリワンを合わせた約650店のうち、
約370店がファミリーマートへブランド転換されました。

そう、全店舗がファミリーマートに転換してわけではないんですよね。
別の形で引き継がれたものもあります。

一部の事業・店舗はミツウロコグループへ

ファミリーマートへのブランド転換とは別に、
旧ココストアの一部事業や店舗はミツウロコグループへ引き継がれたのです。

まずは2015年11月。

ファミリーマートは、ココストアの子会社だった「株式会社ココストアリテール」の全株式を、
ミツウロコビバレッジへ譲渡することで基本合意したと発表。
※ココストアリテールは、商品供給を中心とするボランタリーチェーン(VC)事業を手がけていた会社

そして、2016年2月18日、より具体的な契約内容が公表。

ファミリーマートは、ココストアから引き継いだVC事業や、喫茶店、
他業態へ転貸していた店舗などの一部をココストアリテールへ移したうえで、
同社の全株式600株をミツウロコビバレッジへ譲渡する契約を結びました。
株式の譲渡価額は2億1600万円とされています。

この時点の計画では、ココストアリテールの譲渡などを通じて、
ミツウロコグループがファミリーマートグループから最大約380店舗を引き継ぐことが想定されていました。

注)最大約380店舗というのは、VC事業や転貸店舗なども含めた計画上の最大数のこと。
エブリワンやココストアのコンビニ店舗だけを指しているわけではない。

2016年4月、ミツウロコビバレッジがココストアリテールを子会社化。

その後、コンビニ店舗についても具体的な承継計画が進みます。

2016年8月25日、
ファミリーマートは「ココストア」「エブリワン」ブランドのコンビニ事業の69店舗などを、
ココストアリテールへ承継する吸収分割契約を締結。

当初は同年10月1日の効力発生を予定しており、
承継後の店舗については「RIC」「RIC-MART」「TAC-MATE」など、
ミツウロコグループのブランドへ転換する計画が示されていました。

ところが、この69店舗の契約はいったん解除されたのです。

2016年9月28日の公式発表によれば、解除理由は「登記手続に係る当局の指導」。
少なくとも公式資料上は、ミツウロコへの承継方針そのものを撤回したためではなく、
手続き上の理由による契約のやり直し、ということになっています。

そう、ファミリーマートは同時に、10月中をめどに新たな吸収分割契約を結ぶ予定だとしていました。

そして10月31日、新しい契約が公表されます。

最終的にこの契約で承継対象となったのは、
ココストア・エブリワンのコンビニ事業に関する30店舗でした。

ファミリーマートからココストアリテールへ、
これら30店舗などに関する資産、負債、契約その他の権利義務を承継し、
2016年12月10日に効力を発生させる予定だとされました。

流れを整理すると、以下の通りです。

  • 2015年11月:ココストアリテールの株式譲渡で基本合意
  • 2016年2月:ミツウロコとの包括提携、ココストアリテール全株式の譲渡契約を締結
  • 2016年4月:ミツウロコ側がココストアリテールを子会社化
  • 2016年8月:ココストア・エブリワン69店舗などの承継契約を締結
  • 2016年9月:登記手続上の理由で69店舗の契約をいったん解除
  • 2016年10月:改めて30店舗などを承継する契約を締結

このように、ファミリーマートへのブランド転換が進む一方で、
一部の事業や店舗はココストアリテールを通じてミツウロコグループへ引き継がれていたのですね。

エブリワン・ココストア・ファミリーマートの関係

3つの名前が並ぶと少し分かりにくいため、簡単に図解にしました。
※AIに生成してもらいました。

エブリワンを傘下に持つココストアを、ファミリーマートが買収し、
グループ再編の中でブランドを統合した、という流れです。

FAQで要点整理

ここまでの内容や、補足事項をFAQ形式で整理します。

エブリワンは潰れたの?

倒産したから消えた、わけではありません。

ココストアがファミリーマートの完全子会社→その後ファミリーマートに吸収合併。

エブリワンは、その再編に伴うブランド転換の中で営業を終了、という形です。

エブリワンはいつなくなったの?

公式資料で確認できる区切りは2016年10月31日です。

この日、ファミリーマートが「全国のココストア・エブリワン店舗の営業を終了」と発表しました。

ただし、エブリワン単独の最後の店舗名と正確な最終営業日までは、
今回確認した一次資料では特定できませんでした。

エブリワンは全部ファミリーマートになったの?

全店舗ではありません。

ファミリーマートの公式資料では、
ココストア・エブリワン約650店のうち約370店がファミリーマートへブランド転換されたとされています。

一部の事業・店舗については、ミツウロコグループ側への承継も行われました。

なぜココストアはファミリーマートに売却されたの?

今回確認した公式資料では、ココストア側が売却を決めた具体的な理由は公表されていません。

一応、当時の競争環境が厳しかったことや、
買収前に営業総収入や営業利益が低下していたことは確認できます。

ですが、それらを直接の売却理由とする公式説明は確認できません。

エブリワンは競争に負けて撤退したの?

そのように断定できる資料は確認できません。

2012年の公式資料には競争激化への対応が記されていますが、「競争に負けたためエブリワンを廃止した」とする公式説明はありません。

エブリワンの最盛期は何店舗だったの?

歴代最大の店舗数は確認できませんでした。

一次資料では2010年5月時点で247店、2012年7月末時点で238店が確認できます。

ネット上では「338店が最盛期」というのを見かけましたが、
SPARなど他のブランドも含めているような感じでした。

エブリワンとココストアは同じ会社だったの?

時期によって関係が変わります。

エブリワンの運営会社はココストアグループに入り、
2009年には「株式会社エブリワン」から「株式会社ココストアウエスト」へ社名変更しました。

2012年の公式資料では、ココストアウエストはココストアの子会社として記載されています。

あとがき

エブリワンは、九州を中心に展開していたコンビニだったんですね。

私は九州育ちではないので、当時のエブリワンを知りません。
けれど、長く身近にあった人にとっては懐かしい名前だろうと思います。

地域に根を下ろしていたブランドが、再編の中で大手ブランドへと姿を変えていく。

企業の歴史として見れば珍しいことではありませんが、
名前そのものが街から消えてしまうことには、やはり一抹の寂しさを感じます。

店がなくなるというよりは、その街らしさをつくっていた名前がひとつ消えた、と。

エブリワンについて調べていて、そんなことを少し考えました。

出典・参考資料

一次資料

二次資料

補足:国税庁の2013年告示は、「株式会社エブリワン」から「株式会社ココストアウエスト」への名称変更そのものを確認する資料として使用しています。2009年の社名変更日を示す資料ではありません。

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